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LESSON
POINT1
人の経験を学習し、継承するAI
番組中のキーワード 後継者/successor
現在の畜産は、人手不足、後継者の不在、国際的な競争など多くの課題を抱えています。主人公はこう言います。
「畜産のイメージがやっぱりあまり良くない。労働も大変ですし、後継者がなかなかつきにくい」
⇒Livestock farming is a tough job,
and it attracts fewer successors.
*livestock (家畜/ライブスタク)、farming (農業、畜産、養殖/ファーミング)、livestock farming (畜産)、tough (つらい、きつい/タフ)、attract (引きつける/アトゥラクトゥ)、successor (後継者、後任者/サクセサ)
今回のキーワードは successor です。
「後を継ぐ」という動詞 succeed に、「~する人」を表す接尾辞 -orがついてsuccessor=「後継者」になります。
後継者がいない畜産農家の状況はこんな風でした。
「起立困難の牛を見つけるために母親と交代で(夜中も)カメラを使って、見回っていた」
⇒My mother and I used to take turns monitoring cows’ condition through cameras all night long.
*take turns ~ing (交代で~する/テイク・ターンズ)、monitor (監視する/マニタァ)、cow (乳牛、雌牛/カゥ)、all night long (一晩中、徹夜で/オル・ナイトゥ・ラング)
この重労働の精神的・肉体的負担から解放してくれたのが、AIでした。
「首輪型のIoTセンサーが『起立』や『採食』『反芻』などの牛の行動を24時間記録」
⇒The IoT sensor on the collar constantly records the standing, feeding, rumination or other activities of the cow around the clock.
*IoT (Internet of thingsの略/あらゆる物を無線通信でインターネットに接続して、データのやりとりや制御を可能にする技術)、sensor (センサー、感知装置/センサー)、collar (えりくび/カラァ)、constantly (絶えず/コンスタントゥリィ)、feeding (摂取/フィーディング)、rumination (反芻/ルマネーション)、around the clock (24時間体制で/アラウンドゥ・ザ・クラク)
「それを元に、AIが『運動量が落ちている』『餌を食べていない』などの異常を感知すると、アラートを発信します」
⇒The AI alerts when it detects unusual behaviors, such as “inactive” or “not eating.”
*alert (警告する/アラートゥ)、detect (検知する/ディテクトゥ)、inactive (活動していない/イナクティヴ)
牛の体調の変化は、畜産の経験が長くないと見極められないとされていました。その見極める技術をAIが身につけ、畜産の「後継者」の一人として、経験が少ない若い人にも大きな助けになっているわけですね。
因みに、successorは人だけではなくモノに対しても使うことができます。
*successor technology 後継技術
*successor to that smartphone そのスマホの後継機種
LESSON
POINT2
「牛」にもいろいろな言い方がある
翻訳の肝
今回、畜産の話で「牛」に焦点を当てていました。字幕では、cow と cattle の2つの英語を使い分けています。
① cattleで翻訳
「牛にセンサーをつけて活動の変化を見ていけば、何らかの危機を察知して対処できる」
⇒By monitoring the cattle with AI sensors, it’s easier to detect troubles quickly.
*cattle (畜牛/キャトゥル)
② cowで翻訳
「さらに、日本で初めて、牛の分娩兆候を知らせるサービスも開始」
⇒They also introduced to Japanese farmers a service that alerts a cow’s signs of labor.
*sign (兆候/サイン)、labor (陣痛、分娩/レイバ)
牛には雌と雄がいます。雌、雄、問わず家畜の牛全般を表す言葉が cattle です。①の場合、センサーを雌牛にも雄牛にもつけて健康管理をすることを意味していますから、cattle を使っています。
一語で群れを表す集合名詞なので a cattle や cattles にはなりません。
一方のcow は、雌の牛、または乳牛を指します。②の場合、妊娠しているのは雌の牛ですから、cow を使っています。
その他の「牛」の表現として、bull、ox、calf があります。
*bull (ブル) 去勢されていない雄牛
*ox (アクス) 去勢された雄牛
*calf (キャフ) 仔牛(生後一年未満の牛)
労働力不足は畜産だけの問題ではありません。今回のようなAIの活用は、あらゆる産業の慢性的な人手不足の解消につながる救世主のようなものですね。最近では、介護の世界でもAI技術が浸透していると聞きます。まさに日本の強みを活かして、世界に広められる分野です。いろいろな産業で、人間のsuccessorの一人として共存していって欲しいですね。
サステナティーチャー
フジテレビで5年間、LA駐在を経験。現在「フューチャーランナーズ」の英語校正を担当。エンタメを利用して英語を学ぼうと、洋楽のバンド活動にいそしむ。
(C)ガチャムク
牛さんの声なき声を聞くなんて、AIはすごい技術なんだね。まさに、クール!「おなかすいたな~」なんてこともわかるのかな?カッコいい農家のお兄さんたちをぼくも応援したいな。
LESSON
POINT3
発音しよう
- ・Successor
- ・Livestock farming is a tough job, and it attracts fewer successors.
- (畜産はきつい仕事で、後継者がなかなかつきにくい)
鈴木 唯
フジテレビアナウンサー
早稲田大学国際教養学部卒業。中高はオール英語のコースを選択し、米国ワシントン大学への留学経験あり。
モットーは「やらない後悔よりやる後悔」。
英語好きを仕事に生かし、ハリウッドセレブや海外アスリートの取材を担当している。大好きなレオナルド・ディカプリオもインタビュー済み。実はゲーム好き。