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LESSON
POINT1
SDGsで忘れてはいけないこと。誰も置き去りにしない
番組中のキーワード みんなを包み込む/inclusion
SDGsのそれぞれの目標には「誰一人として取り残さない」、「誰も置き去りにしない」(No one will be left behind.)というインクルージョン“inclusion”の願いが込められています。日本語訳は「包括」ですが、ちょっとこの言葉を分解してみます。
・in: 「中に含む」
・clus: ラテン語claudereが語源の「閉じる」
・sion: 動詞を名詞化する接尾辞
この三つを合わせると「中に含んで閉じること」になり、簡単に言えば「包み込むこと」です。
SDGsに取り組むみんなには、今まで社会から押しのけられていた人たちを包み込むことを知って欲しいと思います。誰も置き去りにしない、みんなが参加できる社会。それがSDGsの根底に流れる願いです。
今回の『フューチャーランナーズ』の放送タイトルは、「オシャレをする権利を皆に」でした。“inclusion”の形容詞形“inclusive”(インクルースィヴ)を使い、こう意訳しています。
⇒Inclusive Fashion for All
番組ではこんなナレーションがありました。
「一人一人と向き合い、その人を輝かせる為に服を作ります」
誰も置き去りにしないで、みんなの個性を尊重する。そんな思いを翻訳にも包み込み、訳したのがこの文章です。
⇒Each item is designed to highlight each individual’s uniqueness.
*each(一つ一つの/イーチ)、item(商品/アイテム)、designed(デザインされている/ディザインドゥ)、highlight(強調する、際立たせる/ハイライト)、individual(個人/インディヴィジュアル)、uniqueness(個性/ユニークネス)
「一つ一つの商品は、一人一人の個性を際立たせるようにデザインされています」と訳しています。それがその人を輝かせることですね。
LESSON
POINT2
inclusionに必要なこと。People-Firstピープル・ファースト
翻訳の肝
もう一つ番組の中のナレーションを見てみましょう。
「自分がブランドとして独立する時に、障がいの有無問わず、どんな人でもおしゃれに着られるファッション。そこに注力しているブランドがないことに気づいた」
そのまま訳すと、字数がオーバーしますので、こういう風に意訳しています。
「自分がブランドを立ち上げた時、障がい者の方を含めたすべてのお客様に製品を提供するファッションブランドは全くなかった」。
⇒When I established my brand, there were no other fashion brands creating products for all customers, including people with disabilities.
「障がいの有無問わず」を、「障がい者の方を含めたすべてのお客様」と訳しています。ここで覚えるポイントは「障がい者」を“people with disabilities”(ピープル・ウィズ・ディサビリティーズ)と表現していることです。これが正しい表現です。
この表現は“people-first language”(ピープル・ファースト・ランゲージ)と言われ、「人間であることが最初で、人はみな個性として多様なものを持っている」という思いが込められています。そもそもピープル・ファーストという考え方は、1974年アメリカのオレゴン州セイレムで開かれた会議で生まれました。ハンディのある当事者が「知的障がい者」とレッテルを貼られることがどんなに嫌かと訴え、一人の参加者が「私たちは障がい者である前に人間だ」と発言したのがきっかけです。We are people first.
ファッションは、音楽やスポーツと同じように世界共通のエンターテインメントだよね。みんながお気に入りの服を着て、オシャレができれば、街は笑顔で溢れていくだろうね。
Inclusive fashion。ファッションでも置き去りにしない。ファッションでみんなが幸せになって欲しいな。
サステナティーチャー
フジテレビで5年間、LA駐在を経験。現在「フューチャーランナーズ」の英語校正を担当。エンタメを利用して英語を学ぼうと、洋楽のバンド活動にいそしむ。
(C)ガチャムク
冒険心旺盛のぼくも、スキューバやスキー、スカイダイビング、いろんなスポーツやらせてもらえて幸せ!!
ムックもピアノやドラムでみんなを楽しませてるよね。これってinclusionじゃない?そんなみんなが何でもできる、インクルーシブな世界がもっともっと広がるといいね。
LESSON
POINT3
発音しよう
- ・Inclusion
- ・Inclusion for all.
- (すべての人が参加できる)
鈴木 唯
フジテレビアナウンサー
早稲田大学国際教養学部卒業。中高はオール英語のコースを選択し、米国ワシントン大学への留学経験あり。
モットーは「やらない後悔よりやる後悔」。
英語好きを仕事に生かし、ハリウッドセレブや海外アスリートの取材を担当している。大好きなレオナルド・ディカプリオもインタビュー済み。実はゲーム好き。