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LESSON
POINT1
シェアするのがコミュニティ
番組中のキーワード 共有の/communal
主人公は第一子が生まれたことをきっかけに、みんなでサポートできるよう親戚で集まり「大家族」として一緒に住むことにしました。そして、近い距離でお互いをサポートできるというこのアイデアを生かし、介護付きシェアハウスを立ち上げました。
「2017年、首藤さんは、神戸市に多世代型介護付きシェアハウス『はっぴーの家ろっけん』をオープンしました」
⇒In 2017, Mr. Shuto opened Rokken Happy Home in Kobe,
a multi-generational communal nursing home.
*multi-generational(多世代の/マルティージェナレイショナル)、communal(共有の・地域社会の/コミュナル)、nursing home(介護施設/ナースィング・ホウム)
今回のキーワードcommunal(共有の)には、「com=一緒に、mun=共有・分担する」というニュアンスがあります。同じパーツを使う単語communityは、地域社会や生活共同体を意味します。
「ろっけんの家族全員と地元の人で盛大に見送りました」
⇒The entire house and the local community send them off.
*local community(地元の人たち/ロウカル・コミュニティ)
人は何かしらのコミュニティに属しています。その中でも、最小で最も身近にあるものが「家族」かもしれません。
自分以外の誰かと一緒に、義務や生活を共にする時には欠かせないcommunication(意思疎通・共感)も同じ語源を持つ言葉です。
LESSON
POINT2
曖昧な表現は分かりやすく言語化しよう
翻訳の肝
番組のナレーションでこういう表現がありました。
「いい意味の共依存が大家族にあるなと。だから(そういう場所を)作ろうと思った」
「共依存」とは、お互いの存在に依存している人間関係のことを言います。ここで気をつけないといけないのは、この言葉には、「特定の関係性に過剰に依存し、精神的な自立の妨げになる」というニュアンスを含んでいることです。ですので、日本語にある「いい意味で」を英語できちんと訳さないとネガティブな印象になってしまいます。
「いい意味の共依存」を、直訳調にcodependence in a good wayと訳すこともできますが、やや曖昧な印象です。主人公がなぜ「大家族」というアイデアがいいと思って施設を作ったのか、その衝動を強調するために英文は意訳してあります。
⇒I liked the practicality and codependence of a big family.
「大家族が持つ実用性と共依存がいいと思った」
*practicality(実用性/プラクティカリティ)、codependence(共依存/コウディペンデンス)
ここでの実用性とは、「困ったときにすぐ助け合える、身近にいて信頼感がある」というようなニュアンスですね。
具体的な言葉を使い、曖昧な表現を避けることで、言語間での違和感を極力出さないようにできます。
人はひとりでは生きていけないというけど、家族や地域など周囲との接点を保つことは社会的動物である人間にとって、とても大切なこと。「個」を尊重したうえで、「つながり方の多様性」も広がってきているよね。
サステナティーチャー
フジテレビで5年間、LA駐在を経験。現在「フューチャーランナーズ」の英語校正を担当。エンタメを利用して英語を学ぼうと、洋楽のバンド活動にいそしむ。
(C)ガチャムク
家族だけでなく、地域、学校、会社、趣味でも、実は色んなコミュニティでみんなつながることができるんだよね。自分の居場所を色々なところに作れるって素敵なことだね!
LESSON
POINT3
発音しよう
- ・Communal
- ・A multi-generational communal nursing home.
- (多世代型介護付きシェアハウス)
鈴木 唯
フジテレビアナウンサー
早稲田大学国際教養学部卒業。中高はオール英語のコースを選択し、米国ワシントン大学への留学経験あり。
モットーは「やらない後悔よりやる後悔」。
英語好きを仕事に生かし、ハリウッドセレブや海外アスリートの取材を担当している。大好きなレオナルド・ディカプリオもインタビュー済み。実はゲーム好き。