サステナ 英語レッスン

2021 Voice of Youth Empowerment サステナ英語プレゼンテーションチャレンジ

サステナ英語って何?

17のゴールとは

Medicine Kits for Africa

アフリカ版「置き薬」で健康をサポート

すべての人に健康と福祉を

LESSON
POINT
1

みんなが使えるようにすること

番組中のキーワード 利用する権利/access

アフリカの辺境の地に住む人たちは、近くに医療施設がないため徒歩で数時間かけて通わなければいけません。
このように、病院などが近くにないから「行けない」、「利用できない」状況を表す時によく使われる単語があります。SDGsでも頻出する単語、それが今回のキーワード “access”(アクセス)です。

番組ではこんなナレーションがありました。
薬も手に入らない状況を目の当たりにし、(帰国後)使った分だけ後払いする、
 日本の「置き薬」のしくみをアフリカに導入しました

これを英語字幕にした文章がこちら。
⇒People there have a poor access to hospitals
 so she introduced Japanese-style medicine kits,
 which they only pay for if they use.

ここではhave (a) poor accessで「手に入らない状況にいる」ことを表しています。
accessには、「入手する権利」や「利用する権利」の意味があり、ある場所に入場できることや、ある物を手に入れることができたり、使えることなどを表します。
poor access (プア・アクセス) ⇒ 不十分な利用可能性 ⇒ 手に入らない状況 となります。
日本語でも、「駅までのアクセスが悪い」 と言いますよね。この時の名詞の意味は「交通の便、~へ行く手段」です。どこかに近づく方法や接近を表す単語です。

動詞の access も、情報やサービス、商品などを「利用可能にする」という意味があります。アクセントは名詞、動詞ともに前に置きます。後ほど鈴木アナの発音を聞いてみましょう。

LESSON
POINT
2

Not everyone knows! 誰でも知っているわけではない

翻訳の肝

番組冒頭のナレーションを例に見てみましょう。
『置き薬』って300年前の日本から発祥したものなので
アフリカ版、現代版に変えていこうと思っています

ここで重要なポイントは、エピソードの要である「置き薬」 をどう表現するかです。
「置き薬」 は320年以上前に富山県で生まれた薬の伝統的な販売方法で、家庭や職場に薬箱を置き、使った薬の分だけ料金を後日業者に支払うシステムです。
日本の文化的なものなので、単純にmedical kit (医療用品一式/メディカル・キトゥ) や first-aid kit (救急箱/ファーストゥ・エイドゥ・キトゥ) と表しても、この独特な販売方法までは伝わりません。
レッスンポイント1で解説した字幕表現の中では、Japanese-style medicine kit (日本風の薬箱/ジャパニーズ・スタイル・メディスン・キトゥ)と表しています。しかし、初めて「置き薬」のことを聞く人にその「しくみ」を説明する表現としては、これも少し違います。

こんな時は、言葉を分解して考え、大事な要素だけを組み立てて違う言葉へ変換することも有効です。
置き薬」 ⇒ 伝統的な薬を販売する方法 ⇒ 使用した分の薬代を後日支払うシステム ⇒ “use first, pay later” medicine system
字幕としては長くなってしまうのですが、ハイフンでつなげて形容詞にして表現することもできます。“use-first-and-pay-later” medicine system

そして、こういう字幕になりました。「300年前」は字数の関係でカットしています。
⇒In Japan, we have a “use first, pay later” medicine system
and I wanted to update in Africa.

*update(更新する/アップデイトゥ)

common knowledge (一般的な知識/カモン・ナリジ)やcommon sense (共通感覚/カモン・センス) も国が変わると様子が違うことがあります。まさにculture shock (カルチャーショック/カルチャ・シャク)です。

さまざまな文化で暮らしている人へ情報を伝えるには色々な工夫や思いやりも必要!

日本で当たり前でも、海外では通じないことはたくさんあるよね。育ってきた環境も文化も違うから、人によって感じ方や考え方も違う。正解がないっていうのはそういうこと。でも、どこで住んでいても、生きていくのに必要なものはみんな一緒だよね。みんながaccessできるように変えていこう!

サステナティーチャーサステナティーチャー

サステナティーチャー

フジテレビで5年間、LA駐在を経験。現在「フューチャーランナーズ」の英語校正を担当。エンタメを利用して英語を学ぼうと、洋楽のバンド活動にいそしむ。

ガチャピンとムックガチャピンとムック

(C)ガチャムク

日本のしくみが、アフリカで役に立っているのは嬉しいことだね。ぼくたちは具合が悪くなったら病院に行くことを当たり前と思っていたけど、その「行くことができる」環境がない地域もあるんだね。とっても勉強になったよ。地球上のみんなが、必要なものが適切に手に入るように変えていかなきゃね!

LESSON
POINT
3

発音しよう

  • ・Access
  • ・People there have a poor access to hospitals.
  • (そこに住む人たちは病院を利用できる手段が少ない)
鈴木 唯

鈴木 唯

フジテレビアナウンサー
早稲田大学国際教養学部卒業。中高はオール英語のコースを選択し、米国ワシントン大学への留学経験あり。
モットーは「やらない後悔よりやる後悔」。
英語好きを仕事に生かし、ハリウッドセレブや海外アスリートの取材を担当している。大好きなレオナルド・ディカプリオもインタビュー済み。実はゲーム好き。