サステナ 英語レッスン

Words are alive

言葉も時代と共に変わる

すべての人に健康と福祉を 人や国の不平等をなくそう

LESSON
POINT
1

形容詞にtheを付けると、名詞になる

番組中のキーワード 耳の不自由な人々/the deaf

番組では、視聴覚障がいを持つ人のために字幕ガイドや音声ガイドを制作した会社の方を取り上げました。翻訳する際、耳の不自由な人を英語で何と表現するか議論しました。障がいやジェンダーに関わる言葉は、日本語でも英語でも特に難しいです。

番組の中で、字幕ガイドのついた映画を耳の聞こえない人に見てもらい、内容が伝わるかチェックしてもらうシーンが出てきます。こういうナレーションでした。
耳の聞こえない人に作品をチェックしてもらうと
字幕ではこう表現しています。
⇒The deaf check if they work.
*deaf(耳が不自由な/デフ)、work(正しく機能する/ワァク)

“they” はここでは「字幕ガイド」のことを指しています。「耳の聞こえない人が、字幕ガイドがうまく機能しているかどうかをチェックする」という意味になっています。

ろう者(聴覚障がい者)の英語“deaf”ですが、この単語は昔は相応しくないと見なされていました。でも、今ではネガティブな意味ではないと言われています。国連の関連サイトでもdeafという単語が正式に使われています。今回のレッスンで英語以上に重要なことは、少し前までは使うことがOKだった言葉がNGになっていることがたくさんあるということです。

では、どうすればいいかというと実際のコミュニティの意見を聞くことです。その時代に合った言葉の意味合いを考えることです。言葉は生きもので、時代と共に変わります。考慮した表現でも、実はネガティブな印象を与え、差別的な意味を持つことがあります。

さて、英語のレッスンポイントに戻りますが、「the + 形容詞」で「~な人々」という用法です。

よく見る例を挙げると。
the rich「裕福な人々」、the poor「貧しい人々」、the old「老人たち」、the young「若者たち」

the richは “rich people”で、グループや集団をさします。「人々」というくらいですから、複数扱いです。字幕でも後に来る動詞は複数で受けていますよね。

ここで一つ注意。“disabled”(障がいのある/ディセーブルドゥ)という形容詞を使った“the disabled”(障がい者たち)は絶対にNGです。The disabled と障がい者でくくる言い方がNGと言われていて、適切なのが“people with disabilities”(ピープル・ウィズ・ディサビリティーズ)です。「人間であることが最初だ」という考え方です。

言葉は世の中に出れば、必ず誰かを傷つけます。SNSを通じて誰もが発信でき、言葉が深く選別されずに蔓延している時代だからこそ、ちょっと立ち止まって言葉の意味合いを考えてみましょう。このサイトでも、折りに触れ、そういう言葉・表現を取り上げていきます。

LESSON
POINT
2

「短くても自然に伝える」 直訳ではなく意訳するスキルも身につけよう

翻訳の肝

インタビューでこのように話している部分がありました。
文化芸術分野こそ全ての人に開かれているべきだと思う
開くは“open”だから、“open to everyone”。これを使って、“I think it is cultural arts that should be open to everyone.” 決して間違いではありません。
ただ字幕翻訳は、限られた秒数でニュアンスが伝わる英語をTVスクリーンの中に納めなければいけません。あえてこう訳しています。
⇒I want cultural arts to be everyone’s pastime.
*cultural(文化の/カルチュロウ)、arts(芸術/アーツ)

“pastime” (パスタイム)=娯楽という単語を使い、「文化芸術はみんなの娯楽になって欲しい」という意味でオリジナルの日本語に近い英語にしてあります。直訳ではない表現になりました。

「翻訳の肝」で取り上げた“pastime”(娯楽)。“American pastime” 「アメリカの娯楽」といえば、野球のことを指すんだよ。アメリカ人の国民的スポーツだもんね。第二次世界大戦中の日系人収容所が舞台で、野球をテーマにした『American Pastime』というアメリカ映画もあったよ。
“Japanese pastime” 「日本人の娯楽」って何だろうね、ムック。

サステナティーチャーサステナティーチャー

サステナティーチャー

フジテレビで5年間、LA駐在を経験。現在「フューチャーランナーズ」の英語校正を担当。エンタメを利用して英語を学ぼうと、洋楽のバンド活動にいそしむ。

ガチャピンとムックガチャピンとムック

(C)ガチャムク

う~ん、ガチャピンのpastimeは、チャレンジ全般だろうけど。。。今回のテーマで取り上げた映画も好きだけど、食いしん坊のわたくしとしては、そうですな~ ここは覚えた英語で。
I want eating to be my pastime! ですぞ~

LESSON
POINT
3

発音しよう

  • ・Pastime
  • ・I want cultural arts to be everyone’s pastime.
  • (文化芸術はみんなの娯楽になって欲しい)
鈴木 唯

鈴木 唯

フジテレビアナウンサー
早稲田大学国際教養学部卒業。中高はオール英語のコースを選択し、米国ワシントン大学への留学経験あり。
モットーは「やらない後悔よりやる後悔」。
英語好きを仕事に生かし、ハリウッドセレブや海外アスリートの取材を担当している。大好きなレオナルド・ディカプリオもインタビュー済み。実はゲーム好き。

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