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LESSON
POINT1
海を深く知ろう
番組中のキーワード 海洋観測/marine observation
気候変動や天然資源など、様々な問題を解決するための鍵が海にあると言われています。
気候変動はclimate change(クライメトゥ・チェインジ)、天然資源はnatural resource(ナチュロウ・リーソース)です。
番組のナレーションでは、あるプロジェクトによって、「誰でも簡単に海洋観測ができる」ようになったと伝えています。「海洋観測」を主語にして、「海洋観測がみんなに利用しやすくなった」と訳しました。
⇒Marine observation becomes accessible to anyone.
*accessible(利用可能な/アクセサブル)
今回のキーワード“marine observation”(海洋観測/マリーン・アブザヴェイション)は複合語ですが、それぞれの単語も深く知っておきましょう。
「海の、海生の」という意味のmarineを使った複合語には、こんなものがあります。
・海藻や海草のmarine plant(海洋植物/マリーン・プラントゥ)、
・クジラやイルカ、ラッコも含まれるmarine mammal(海洋哺乳類/マリーン・ママル)
observation「観察、観測」の動詞形はobserve(観察する/オブザーヴ)。ここで英単語を忘れないためのコツをお教えします。
英単語は、基本的に「接頭語」、「語根」、「接尾語」の3つのパーツからできています。英単語の根幹の意味を成す「語根」は、もともとラテン語やギリシャ語などから来ています。その「語根」の前後に、「接頭語」や「接尾語」と呼ばれるパーツがついて、色々な単語が生まれたのです。
observeをパーツに分けてみると、
[接頭語] ob(~に対して)
[語根] serve(よく見る、見守る)由来:ラテン語servo(見守る)
ただ見るだけではなく、守る=キープするというニュアンスを持っているので、seeやlookとは違いますね。
環境保護などで使われる、preserve(保存する/プリザーヴ)も同じ語源です。
*「語根」は「語幹」とも呼ばれ、単語の意味の基本となる部分で、それ以上分解できない最小の単位。「接頭語」は「接頭辞」、「接尾語」は「接尾辞」とも呼ばれます。
LESSON
POINT2
技術的な説明はコンパクトに
翻訳の肝
何かの技術にかかわる工程を説明する際、どうしても文章が長くなってしまうことがあります。字数制限がある字幕には、なるべく短くすることが求められます。しかし、専門的な話を簡単な言葉に置き換えればいいというわけではありません。
番組のナレーションで例を見ていきましょう。
「一般からもアイディアを募り、低コストで簡単に作れる観測機器を開発しています」
「簡単に作れる観測機器」を、例えば、observing equipment which is easy to assembleのように訳すと、冗長で字幕に合わせた改行なども考えると読みづらくなります。字幕ではこう工夫しています。
⇒He has developed an inexpensive and easy-to-assemble observing equipment,
incorporating ideas from the public.
easy-to-assemble とハイフンでつなげて形容詞にしました。コンパクトになりましたね。
*inexpensive(安価な/イニクスペンスィヴ)、assemble(組み立てる/アセムボウ)、equipment(機器/イクウィップメントゥ)、incorporate(取り入れる/インコーポレイトゥ)、the public(一般人/ザ・パブリク)
もう1つ見てみましょう。
「水温や塩分濃度などのデータがリアルタイムで送られ、ウェブで公開されます」
「データがリアルタイムで」と、 カタカナが続いていますが、これもハイフンを使ってコンパクトにできます。
⇒It gathers real-time data on the water including water temperature
and concentration of salt, which will be shared on the internet.
real-time dataと訳し、短くても意味の伝わる表現にしました。
*gather(収集する/ギャザ)、temperature(温度/テムペラチュア)、concentration(濃度/カンサントゥレイション)、salt(塩/ソルトゥ)
専門的な話のときほど、専門ではない人が読みやすく、分かりやすく文字を配置することもポイントです。
人間は海からの恩恵をとても受けているよね。だからちゃんと守る責任がある。青くてきれいな地球は未来でもずっとそうあって欲しいよね。そのためにも、今、海がどういう状態なのかをきちんと知ることが大切。Observeしてもっとたくさん海を知っていこう!
サステナティーチャー
フジテレビで5年間、LA駐在を経験。現在「フューチャーランナーズ」の英語校正を担当。エンタメを利用して英語を学ぼうと、洋楽のバンド活動にいそしむ。
(C)ガチャムク
ぼくは、ガチャピンチャレンジで、スキューバダイビングで海に潜ったことがあるよ。魚やサンゴがとってもきれいだったんだ。海は大切な資源。ずっときれいに守っていくためにも、まずは色々知ることが大切なんだね。そして、海に感謝したい!!
LESSON
POINT3
発音しよう
- ・Marine observation
- ・Marine observation becomes accessible to anyone.
- (誰でも海洋観察ができるようになってきている)
鈴木 唯
フジテレビアナウンサー
早稲田大学国際教養学部卒業。中高はオール英語のコースを選択し、米国ワシントン大学への留学経験あり。
モットーは「やらない後悔よりやる後悔」。
英語好きを仕事に生かし、ハリウッドセレブや海外アスリートの取材を担当している。大好きなレオナルド・ディカプリオもインタビュー済み。実はゲーム好き。