サステナ 英語レッスン

2021 Voice of Youth Empowerment サステナ英語プレゼンテーションチャレンジ

サステナ英語って何?

17のゴールとは

Run for a Tomorrow

未来に向けて走れ!

貧困をなくそう すべての人に健康と福祉を 平和と公正をすべての人に

LESSON
POINT
1

SDGsは“遠い”話ではない

番組中のキーワード 遠く離れた/distant

東京マラソン(2020年3月)で走りたいという夢を抱いたランナーは、エチオピアの難民でした。彼の夢を叶えた主人公は、難民支援の現場に飛び込んだ理由をこう話しています。
『難民』という言葉の響きが特殊な人々と思われてしまいがちなんですが、(私たちと)何ら変わらない一人の人が、何でこんな状況にいなければいけないのか?という怒りですかね。そう駆られる気持ちが生まれた
「『難民』という言葉は遠いことのように聞こえるが、彼らは私たちと同じ普通の人。なぜこんなにも苦しまなければいけないのか。そんないら立ちが行動に走らせた」という風に訳しています。
⇒The word refugee sounds distant but they are ordinary people like us.
 Why do they have to suffer this much?
 That frustration drove me to act.

*refugee(難民/レフュジー)、sound(~に聞こえる/サウンドゥ)、distant(遠い、遠く離れた/ディスタントゥ)、ordinary(普通の/オーディナリィ)、suffer(苦しむ、被る/サファ)、frustration(失望、いら立ち/フラストゥレイション)

今回のキーワードdistantの名詞形は、distance(距離、隔たり/ディスタンス)です。distanceを分解してみるとdis(離れて)+ stance(立つこと)で、離れて立っているから「遠く、距離がある」ことを意味します。distantには、これ以外にも「現実的でない」、「他人行儀な、よそよそしい」という意味があります。
*The threat of fire in this place seemed distant.(この場所での火事の恐れは現実的でないように見えた)
*Don’t be so distant with me.(そんなによそよそしくしないで/水くさいぞ)

難民という言葉がsound distant(遠く離れたことのように聞こえる)という言い方は、難民の存在が自分にとっては「現実的ではない」ものと言っているようなものです。今回の主人公は、難民と向き合う中で、難民である前に同じひとりの人間であることを強く意識しました。そして、エチオピア難民のマラソンランナーが東京で走るという夢を叶えるため、ビザの取得や渡航準備などに奔走したのです。そしてゴールラインを切った選手を見て思わず涙します。

(選手のゴールが)目に入った瞬間に、本当にこみあげてしまいました。彼らの夢だとか努力だとか、現場で感じたことをストレートに伝えることをもっとしていかなければいけない
⇒At the finish line, I was moved to tears.
 Their dreams and efforts should be conveyed to more people
 as well as I feel on-the-spot.

*finish line(ゴール/フィニシュ・ライン)、move(感動させる/ムーヴ)、be moved to tears(感動して涙が出る)、convey(伝える/コンヴェイ)、on-the-spot(現場で/アン・ザ・スパットゥ)

SDGsで取り上げられる様々な社会の問題は、遠い話のように思われがちです。しかし、今回の主人公のように、ちょっとした気づきや行動で距離が縮まることもあります。隔たりをなくし、それを「自分ごと」として考えていくことがゴールへの第一歩です。in the not-too-distant future(そう遠くない将来に)解決を目指したいですね。

LESSON
POINT
2

明日のかたちは無限大

翻訳の肝

放送回の日本語タイトルは、「“難民の未来”を支える」でした。翻訳では超意訳をしてRun for a Tomorrowにしています。マラソンランナーが話の対象ですから、ランナー本人もそれを支える人たちも一緒にゴールに向かって走っている感じをタイトルから醸し出しています。
また、そのゴールとは、夢が叶えられる未来です。「将来、未来」という意味でa tomorrowを使いました。tomorrowは本来、数えられない名詞(不可算名詞)で冠詞(aやthe)も付きませんが、これは文語体の表現です。

このa tomorrowを使ったフレーズは、SDGsを語る上でポジティブなフレーズとして非常によく出てきます。
*The uncertainty of our era gives us unprecedented power to shape a better tomorrow.
 (わたしたちの時代の不確実性は、より良い未来を形成するための前例のない力を与えてくれる)
 uncertainty(不確実なこと/アンサートゥンティ)、unprecedented(前例のない/アンプレセデンティドゥ)
*Steps were taken towards a better tomorrow.
 (より良い未来に向かって措置が取られた)

自分と遠い=distant状況にある人たちについて、自分は関係ないと思っていることはまだまだ多いよね。貧困や難民も遠い国の話ではないんだ。貧困になる可能性は誰にでもあるし、住んでいる家だって火事や災害でなくなってしまうかもしれない。
SDGsの基本はなんでも「自分ごと」にすることだよ。遠い話はつい「他人ごと」だと思ってしまうからね。

サステナティーチャーサステナティーチャー

サステナティーチャー

フジテレビで5年間、LA駐在を経験。現在「フューチャーランナーズ」の英語校正を担当。エンタメを利用して英語を学ぼうと、洋楽のバンド活動にいそしむ。

ガチャピンとムックガチャピンとムック

(C)ガチャムク

うん、ぼくも気をつけないといけないと思ったよ。どんなことでも、同じひとりの生き物のことなんだと気づくことが大切。
世の中から遠いものにも目を向けて、自分の頭で考えることもぼくたちの役目だね。

LESSON
POINT
3

発音しよう

  • ・Distant
  • ・The word “refugee” sounds distant.
  • (「難民」という言葉は遠いことのように聞こえる)
鈴木 唯

鈴木 唯

フジテレビアナウンサー
早稲田大学国際教養学部卒業。中高はオール英語のコースを選択し、米国ワシントン大学への留学経験あり。
モットーは「やらない後悔よりやる後悔」。
英語好きを仕事に生かし、ハリウッドセレブや海外アスリートの取材を担当している。大好きなレオナルド・ディカプリオもインタビュー済み。実はゲーム好き。