LESSON
POINT1
それぞれの“ユニークさ”にフィットするもの
番組中のキーワード 特注の/custom-made
メガネ会社を経営する主人公は、学生時代にアメリカ先住民の視力矯正をするボランティアをしていました。
その経験をきっかけに、1983年からは社員と共に難民キャンプを訪問し、今までに約17万本の眼鏡を寄付しています。
「乱視が強い人などにはカルテを持ち帰り、特注品を届けています」
⇒They also deliver custom-made pairs for those with strong astigmatism
based on their prescriptions.
*astigmatism(乱視/アスティグマティズム)、prescription(処方箋・処方薬/プリスクリプション)
ここで今回のキーワードcustom-made(特注の)が出てきます。
customは名詞で「慣習・習慣」などを意味しますが、形容詞では「あつらえの・特別注文の」という意味があります。made(作られた)とハイフンでつなげた形容詞で「特注で作られた」を意味します。
レンズの処方やフレームデザインは、個々の視力や骨格によっても変わってきます。言ってみればcustom-madeはそれぞれ個人の「ユニークさ」にフィットするデザインということです。
日本語で「ユニーク」と言うと、コミカルで「面白い」ニュアンスが強いですが、英語では「唯一無二の・固有の・異色の」と言う意味です。
*uniqueness、uniquity(唯一性・独自性/ユニークネス、ユーニクウィティ)、unique(特有の・唯一の/ユニーク)
custom-madeの対になる言葉としては、ready-made(既製の/レディメイド)などがあります。
物やサービスの中には、one-size fits all(フリーサイズの・1種類ですべてをカバーできる・汎用性が高い)デザインというのもあります。
しかし、健康に関して言えば、個々の体や精神状態、症状などをふまえて、まさに“custom-made”でケアするべきですよね。
LESSON
POINT2
聖書の中の英語表現
翻訳の肝
英語はキリスト教文化に影響を受けている言語で、聖書由来の表現がたくさんあります。
今回のエピソードでも、聖書を思わせる1文があるので取りあげてみます。
こんなナレーションがあります。
「『全盲だ』と思われていた男の子が、メガネをもらって見えるようになったり・・・」
この原文を字幕特有の文字数を考えずに訳すなら、このように表現することもできます。
A boy who was thought to be "completely blind" was given glasses so he could see.
ここで「全盲の人が見えるようになる」という文脈に注目です。
実は、聖書でキリストが全盲の人を治癒する話が出てくるのですが、そこに“Was blind but now I see.”という文章が出てきます。
有名なAmazing Grace という曲の歌詞にもなっているフレーズなので、耳にしたことがある人も多いかもしれませんね。
英語圏の人には馴染みがある表現を活かし、番組では下のように意訳しています。
⇒A boy thought to be blind can now see with his glasses.
このエピソードでは、主人公が寄付したメガネによって視界が広がった人たちが、まさに「奇跡」を体験したように喜んでいることが分かります。
「(難民の人が)メガネをかけると泣き崩れるようにして・・・」
⇒When they put their glasses on, they cry with joy.
馴染みがある表現というのは、状況や意図をイメージしやすいため、相手に伝わりやすいという利点があります。
汎用性が高い物やサービスも確かに利点はあるけど、多様な暮らしやニーズを考えたら、ユニバーサルなデザインや、個々の違いにフィットするcustom-madeという考え方も大切だよね。
サステナティーチャー
フジテレビで5年間、LA駐在を経験。現在「フューチャーランナーズ」の英語校正を担当。エンタメを利用して英語を学ぼうと、洋楽のバンド活動にいそしむ。
(C)ガチャムク
カスタムメイドしたものって何だか特別感があるよね。ぼくに合わせて作り変えてもらった、世界にひとつしかないもの。それが自分のためにあるって考えると、長く大切にしたいって思う!
LESSON
POINT3
発音しよう
- ・Custom-made
- ・They deliver custom-made glasses for them.
- (彼らに特注のメガネを届ける)
鈴木 唯
フジテレビアナウンサー
早稲田大学国際教養学部卒業。中高はオール英語のコースを選択し、米国ワシントン大学への留学経験あり。
モットーは「やらない後悔よりやる後悔」。
英語好きを仕事に生かし、ハリウッドセレブや海外アスリートの取材を担当している。大好きなレオナルド・ディカプリオもインタビュー済み。実はゲーム好き。