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LESSON
POINT1
特別な体験も平等に
番組中のキーワード 一生に一度/once-in-a-lifetime
思い出はその人の歴史を語る大切なものです。毎日の中で、色々な記憶と経験が蓄積されて、今の自分がいます。特に「記念日」のような、人生の節目になるようなイベントは記憶に残りやすく、この先ずっと大人になっても持ち続けていられる宝物。事情によってそんな機会を得られなかった人たちがいました。
番組ではこんな発言がありました。
「私自身が生後4カ月から施設の方で育てていただいて、経済面的に(成人式の時には)振袖を着ることができなかったんですけど」
⇒Since I was four months old, I was in an orphanage.
I couldn't afford a kimono for Coming of Age Day.
orphanage(児童養護施設/オーファニジ)にいたため、経済的理由で振袖を着る体験をできなかったと言っています。afford(~に対して余裕がある/アフォードゥ)は、「金銭的・時間的・心理的」な余裕を意味しているので、I can’t afford it.だけで、経済的な理由で手に入らなかったことを表現できます。
「成人式」は、Coming of Age Ceremonyです。
番組では、この日、晴れ着を着ることができなかった施設出身者に、改めて晴れ着姿の記念写真を撮ってプレゼントする活動を取りあげています。ナレーションでは、その体験のことを「一生の思い出作り」と言っています。特別で貴重な「一生に一度」のことを英語にし、字幕ではこう表現しています。
⇒“Make Once-in-a-lifetime Memories” project
*once(一度/ワンス)、lifetime(一生涯/ライフタイム)
これをハイフンでつなげて形容詞にしたのが今回のキーワード”once-in-a-lifetime”(一生に一度/ワンス・インナ・ライフタイム)です。
日本語で言う「一生に一度のお願い」はどちらかというと、その人にとって重要な頼み事のニュアンスがあるので、英語ではthe biggest favor(最大級の親切な行為、手助け)が近いです。
LESSON
POINT2
そのまま英語になった日本語を活用しよう
翻訳の肝
さて、字数に制限がある字幕の中で、日本の文化である振袖を海外の人へどう伝えるといいでしょうか?
仮に字数制限がないとしても、振袖が 「袖丈を長く仕立てた、未婚女性が着る和服の礼装」のような説明すると長くなってしまいます。ここで大切なのは、一瞬で、相手の頭の中にその言葉の「絵」をイメージしてもらうことです。
今回の字幕では、「振袖」という言葉が番組内で初めて出できた時だけ、kimono と訳しています。
⇒I couldn't afford a kimono for Coming of Age Day.
それ以降は、furisode と表現しています。文章だけではなく、映像があるので自然に「furisode = 着物の一種」ということが伝わると思います。
kimonoのように、実は日本語がそのまま英語として通じる言葉は増えてきています。
例えば、anime(アニメ)は、そのまま日本のアニメとして通じます。manga(漫画/マンガ)も同様に海外でもひとつのジャンルとして認識されるようになりました。
ラーメンも、noodles(麺/ヌードゥルズ)にしなくても、ramenで伝わります。日本の温泉もhot spring (ハトゥ・スプリング)よりも、onsenと表現することが多くなりました。
相手が知っていそうなことで例えてあげると伝わりやすいですよね。日本の文化を英語で説明するときは、既に英語として使われている言葉を引用することも役に立ちます。
Once-in-a-lifetimeの特別な体験をみんなができるようにする。思い出を作る機会もみんな平等に持つべきだからね。たくさんの思い出は人生を豊かに彩るから、その機会を人にプレゼントすることは素敵なことだね。
サステナティーチャー
フジテレビで5年間、LA駐在を経験。現在「フューチャーランナーズ」の英語校正を担当。エンタメを利用して英語を学ぼうと、洋楽のバンド活動にいそしむ。
(C)ガチャムク
わたくしは音楽では「一生に一度」どころか、数え切れないほど特別で貴重なことをさせてもらっていますな~これもみなさんのおかげです。音楽で楽しんでもらえることがみなさんの「一生に一度」の思い出になるなら、わたしくはいろんな曲練習しますぞ~!
LESSON
POINT3
発音しよう
- ・Once-in-a-lifetime
- ・Never give up on making once-in-a-lifetime memories!
- (一生に一度の思い出づくりをあきらめないで!)
鈴木 唯
フジテレビアナウンサー
早稲田大学国際教養学部卒業。中高はオール英語のコースを選択し、米国ワシントン大学への留学経験あり。
モットーは「やらない後悔よりやる後悔」。
英語好きを仕事に生かし、ハリウッドセレブや海外アスリートの取材を担当している。大好きなレオナルド・ディカプリオもインタビュー済み。実はゲーム好き。