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LESSON
POINT1
人を突き動かすもの
番組中のキーワード 影響/impact
オーストラリア出身の主人公は、来日した当初、日本でよく見かける個別包装を衛生的だと感じていました。
しかし、ある映画がきっかけで考え方が変わります。
こんなナレーションがあります。
「3年前に観た環境問題の映画に衝撃を受け、『プラスチックを使わない生活に変えよう』と考えました」
⇒However, three years ago, a movie about environmental problems
impacted her and she’s decided to live plastic-free.
*impact(影響を与える[及ぼす]/イムパクトゥ)、to live plastic-free (プラスチックを使わずに生きること/トゥ・リヴ・プラスティク・フリー)
ここでは今回のキーワードimpactが動詞として使われています。
日本語でも「インパクトのある・インパクトが強い」のように使われますが、物理的または心理的な「衝撃」や「影響」を表す言葉です。
人が何か行動を起こす時、そこにはあるプロセスがあります。どんなことでも、まずは「知ること」からスタートします。
SDGsでも、知らないと始まらないことだらけですよね。
社会で何が課題になっているかを知らないと、解決する方法すら考えることができません。何かを変えるきっかけは身近にあって、知ることでアクションが始まります。
映画や小説の中では、必ず、冒頭でこの「きっかけ」になる出来事が起こります。これを inciting incident (何かを駆り立てる出来事/インサイティング・インスィデントゥ) と言います。
探偵が出てくるミステリーであれば、最初に殺人事件や盗難事件があり、依頼が舞い込んで解決するための調査が始まる。
ファンタジーであれば、平穏に過ごしていた男が思いがけない団体から訪問を受け、財宝を奪還するためのメンバーとしてスカウトされ、冒険へ繰り出す。。。 と、いうような具合です。
今回の主人公にとってのinciting incidentは、「環境問題をとりあげた映画を観たこと」でした。
その映画がきっかけで考え方が変わり、その後の生き方までに影響を受けました。それぐらい大きなインパクトだったということです。
彼女はこう言います。
「たぶん、誰かの心の中で変化を起こせれば、それがインパクトをもたらす」
⇒Maybe something will change in someone’s mind and that will have a big impact.
ここでは、a big impactと名詞形で使われています。
彼女のplastic-free living(脱プラ生活)を訴える活動が誰かの行動を起こすきっかけになり、それが広まって環境問題の解決につながる大きな影響力をつくることができるという意味で使われています。
LESSON
POINT2
小さくはじめて大きく育てる
英語には、Baby steps to giant strides という言葉があります。
直訳すると、小さな歩みはやがて大きな歩みになる。stepは一歩、strideは大またでの一歩を指し、赤ちゃんの一歩と巨人の一歩のようなイメージです。
日本のことわざの「千里の道も一歩から」や「塵も積もれば山となる」と同じような意味で使われます。
今回の主人公は映画を観た後、プラスチックを使わない生活を送るために、布と蜜ろうを使って繰り返し使えるエコラップを作ります。そしてさらに活動を広げていきます。
「『高級感を出すための過剰包装はやめよう』とよく行くスーパーの店長を何度も説得しました」
⇒She convinced the manager of a supermarket
to stop using excessive packaging for food.
*convince (説得する・確信させる/コンヴィンス)、excessive packaging (過剰包装/イクセスィヴ・パッケジング)
彼女の起こした行動のインパクトがさらに広がっていくのが分かります。
映画で衝撃を受ける → 環境問題に関心を持つ → リサーチ&商品開発 → SNSで販売開始 → ママ友たちと脱プラを呼びかける運動 → 身近なスーパーの過剰包装をストップ
彼女の行動に影響を受け、お店の包装スタイルを変えたスーパーの店長はこう言います。
「熱意ですね。根気強く教えてくれた」
⇒Thanks to her passion, we changed for the better.
熱意は人を動かす大きな力になりますね。
スポーツや勉強もそうだけど、いきなりすぐに上手くなることってそうないよね。練習や努力を重ねて、ある程度の時間が必要なことも多い。私たちが抱えている社会課題には早急に対処しないといけないことも現実には多い。だけど、大きな何かを変えるきっかけは身近にあることもあるからbaby stepsでできることから始め、続けていくことで大きなimpactに繋げることが大切だよね。
サステナティーチャー
フジテレビで5年間、LA駐在を経験。現在「フューチャーランナーズ」の英語校正を担当。エンタメを利用して英語を学ぼうと、洋楽のバンド活動にいそしむ。
(C)ガチャムク
いきなり大きな結果を目指すと途中で息切れしちゃうこともある。自分ができることから小さく始めるって大切だよね。焦らず、自分らしく、確実にゴールすることがポイントだね!
LESSON
POINT3
発音しよう
- ・Impact
- ・Maybe something will change in someone’s mind and that will have a big impact.
- (きっと誰かの心の中で何かが変われば、それが大きな影響をもたらす)
鈴木 唯
フジテレビアナウンサー
早稲田大学国際教養学部卒業。中高はオール英語のコースを選択し、米国ワシントン大学への留学経験あり。
モットーは「やらない後悔よりやる後悔」。
英語好きを仕事に生かし、ハリウッドセレブや海外アスリートの取材を担当している。大好きなレオナルド・ディカプリオもインタビュー済み。実はゲーム好き。